どうも、しんば(@shimbakone)です。
- 間取りをどうしようか考えている
- 仕様をどうしようか悩んでいる
- こだわりや失敗を知りたい
そんな方のために、今回はweb内覧会として、我が家の防音室を紹介します。
妻がピアノを弾くので、簡易的ですが、防音室を作りました。防音室を作られる人はマイノリティだと思いますが、参考になれば嬉しいです。
それではいってみましょう!
間取り
6畳ほどの広さです。グランドピアノを置けるようなぎりぎりサイズです。
玄関からすぐに行ける位置になるので、(やるかわかりませんが)将来ピアノレッスンなんかもできるね、と妻と話しています。
防音室の隣はキッチンになり、真上は子ども部屋(北側)になります。将来子どもが自室で過ごすようになった時に音が気になるかもしれないというのが少し心配です。
凹んだ空間には、ちょうど収まるサイズの棚を設置して、楽譜など音楽関係の本を置くことができます。トイレの手洗いのためにこのような壁になったのですが、空間をうまく活用できたと思います。
将来リタイヤしてゆっくりする時間ができたら、家族で楽器演奏して楽しめそうです。
仕様
床: 無垢材(オーク)
壁: 漆喰 + 石膏ボード追加
天井:防音天井材(オトテン3 )+ ロックウール + 石膏ボード追加
間仕切り壁: ロックウール充填
照明: シーリングランプ
ドア: アドバンス(A)防音ドア
ガチなものではなく、簡易的な防音室という形で設計してもらいました。このあたりは全く詳しくなかったので、工務店の方から建材メーカーの「ダイケンの防音室プラン」をベースに提案をしていただきました。
ダイケンのプランは公式webページ(楽器練習室)を御覧ください。
「スタンダードプラン★★防音プラン」をベースにしています。
防音仕様にするためにしたこと
- 石膏ボードを天井・壁に追加
- 天井を防音素材にする
- 間仕切り壁・天井にロックウールを充填
- 防音ドアの採用
- 床の補強
- 防音室専用の熱交換換気システムの設置
- 小さい窓を1つだけ(APW430)
あたりです。
防音性能を高めるなら内壁の仕上げも防音材の方が適切ですが、健康にもこだわっているのでここは漆喰にしました。
また、外壁は付加断熱のまま変更はしていません。
防音レベルの設計としては、
- 若干の音漏れは許容しつつも、近所迷惑にならないレベル
- 建物内部で響く分には仕方なし
といった具合です。
プランを提案してもらった方に聞いたのですが、
防音性能をあげるコストは二次曲線のように高くなるという事でした。
わかりやすいように数字で例をだすと、
防音性能を2倍にするのに4倍のコストがかかる
防音性能が3倍にするのに9倍のコストがかかる
といったものらしいです。この倍率は例えなので正確では無いので注意してほしいのですが、防音のレベルを求めすぎると費用もかなりかかるそうです。イメージとして掴んでください。
よって防音性能は完璧を求めるのではなく、そこそこ(近所迷惑にならないレベル)で十分ではないかという結論に達しました。
専用の換気システムについて
防音ドアは音がもれないように気密性が高くなっています。防音のためにドアを閉めると室内が完全に密封されてしまい換気されません。(窓は防音の点から開けることは想定していないません)
よって、法律的に個別の換気システムが必要という事で、専用の換気システムを設置しています。
この換気システムは熱交換機能をもっているので、外気との温度差を若干緩和してくれます。
とは言っても、実際に長時間この部屋を使うことはなく、この換気システムは停止しています。というか一度も運転したことがありません。
加えて、夏場に密封状態だと空気が循環せず熱がこもってしまう事も心配したので、6畳エアコンを設置しています。(このエアコンも使った事がないです)
部屋を使わないときにはドアを開けっ放しにしてあるので、メインの換気システムによる空気が対流の影響か、他の部屋と同様の室温になっています。普段のそのような使い方であれば、この換気システムは停止していて全く問題ないのです。
しかし、仮にピアノレッスンなどを行うようになり、ある程度の時間、複数人で部屋に閉じこもる場合、6畳程度の空間なので、人の発生させる熱でオーバーヒートしてしまう事が予想されます。これを回避するためにエアコンが必要だと判断しました。
後からエアコンが必要になり、壁に穴をあけることは断熱・気密低下などのリスクを心配し、最初から施工を行う選択をしました。
防音効果は?
実際に防音の効果を確かめてみると、
簡易的とはいえ防音効果は十分に発揮された
と感じています。
室内では
妻に大きめの音でピアノを引いてもらって、キッチンに立ってみると、かなり音が小さくなっていました。全く聞こえなくなるレベルではなく、普通に耳には入ってくる音量ですが、うるさいとは感じないレベルですね。
室外では
家の外に出て、防音室の壁近くに立ってみましたが、昼間の外の自然音もあってかうっすら聞こえるぐらいでした。隣の家にいたらほぼ聞こえないかな?ぐらいだったので、十分な防音効果でした。
外に出て一番音が聞き取れたのが、個別の換気システムあたりでした。換気で穴が空いているので、それはそうですよね。
高い気密性
防音素材が十分に機能しているのは、高気密である事も起因していると考えられます。
音は振動によって伝わるので、気密性を高める事で隙間が少なくなり、音が漏れにくくなります。
我が家の場合はC値0.3を切るレベルの気密性があるので、防音建材の効果をしっかり発揮できているのでしょう。
(気密とセットで必要なのは、断熱も同じですね)
ということで、危惧していた「近所迷惑になってしまう事」は回避された(と思っている)ので良かったです。(現時点では、ご近所さんから何か言われてはいません)
また改めて、防音性能については詳しい検証をやろうとは思っています。
後悔ポイント
防音性能は十分満足していますが、こうすれば良かったなと思う点があります。
換気・空調の方法について
「換気について」の部分で述べたとおり、個別の換気とエアコンを専用に設置していたわけですが、これ実際には使っていないんですよね。
設計当時は深く考えなかったのですが、温熱環境や換気を考え直すと、あまり上手くない仕様なんです。(今だから言える)
以前に見学させてもらった「ウェルネストホーム浜松モデルハウス」には簡易の防音室があって、ここでは非常に合理的な作り方をしていました。
防音室と空調室とダクトでつないで換気をしており、防音室に個別の換気システム・エアコンをつけていなかったのです。音がダクトの先に漏れても住んでいる人からすれば空調室なので、あまり気になりません。
流石、ウェルネストホーム!こんなやり方があるのか、と関心しました。
(余談ですが、ウェルネストホームで断熱材として使っているセルロースファイバーにはかなりの吸音性があるので、標準仕様で建物外への音を防ぐ事ができそうです)
もしこの空調手法を知っていれば、我が家でも採用した可能性が高いです。我が家は小屋裏空間を空調室のように使えるので、やろうと思えば再現できそうだと感じました。
- 個別の換気・エアコンの設備コスト
- 壁に穴をあけるリスク(断熱・気密の低下)
という問題を解決できてしまいます。
エアコン1台(2台)で空調を行う高気密高断熱の家では、このような防音室の空調が今の所、最適解のように思えます。
おわり
いかがだったでしょうか。今回は防音室のweb内覧会でした。
使ってみると「意外に便利」だなと思いました。
電話をしたい時とか、一人で集中したい時とか、活用方法は色々ありそうです。
簡易的とはいえ、十分な防音機能があるので使い倒していきたいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。