どうも、しんばです。
家を建てる際によく聞く「高気密高断熱」という言葉があります。
- 住宅会社の営業は「うちは高気密高断熱だから暖かいですよ」というけど、実際に住んでみるとそうでもなかったっていう話を聞く…あまり当てにならない?
- 高気密高断熱を謳っていればどこの会社で建てても同じなんじゃない?
今回はこんな疑問を持っている人へ書いた記事です。
その後の行動の指針まで書いてみましたので、是非読んでみてください。
高気密高断熱の家は寒くて暑い?
本来、高気密高断熱の家は冬は暖かく、夏は涼しいはずです。
ですが、この「高気密高断熱」という言葉が独り歩きしているように感じており、実際に建ててみると寒かったり暑かったりするという事が多々あるようです。
住宅会社の営業の「高気密高断熱」という言葉を盲信しない
「営業の方が言うなら、そうなんだ」と納得してしまうあなたはおそらく家づくりに失敗します。
とても高価な買い物になるので、もう少し慎重になりましょう。
高気密高断熱という言葉がファッション化しており、意味合いの幅が広すぎるため、発している側と受け取る側の齟齬が生まれているように思えます。これが「住んでみて違った」を引き起こしていると感じています。
それでは、理由を説明するまえに「気密」と「断熱」について、簡単に説明しておきます。
高気密 ・・・ 建物の隙間がない状態 高断熱 ・・・ 建物の外部と内部間の熱の伝わりが少ない状態
あまり難しく説明をしたくないので、一言で表すとこのような意味になります。
建物の外部と内部間の、熱と空気の移動をなるべく抑えた状態です。これによって家の中の温度を、外気の影響をあまり受けずに一定に保つことができます。魔法瓶のような状態のイメージですね。
(詳しくはまた記事を書きますね)
理由を解説
営業の言葉を鵜呑みにしない方が良い理由をこれから解説します。
理由1:明確な定義がない
一番の原因はこれですね。
「高気密高断熱」という言葉には明確な定義がありません。
ということはつまり、どんな家を建てていても、高気密高断熱を名乗れる訳ですね。
そうなってくると、何と比べて気密性が高いのが、或いは、断熱性が高いのかわかりませんし、どんな家が建つのかもよくわかりません。
営業の言っている高気密高断熱は、本当のところ中気密中断熱や低気密低断熱の可能性が高いです。
理由2:営業の知識が乏しい
2つ目の理由は、営業の「気密、断熱に関する正確な知識」が少ないからです。
住宅会社にとって営業の仕事はなんだと思いますか?
…
そうですね。
家を売る、契約をとらせることですね。施主を納得させ、契約へ繋げるためにあらゆる手段で売り込みをしてきます。
彼らはもの(家)を売ることのプロフェッショナルかもしれませんが、あくまでも会社のために利益を出す事が使命です。
性能への意識が低い住宅会社は、営業の性能に関する知識レベルも低くなりがちです。
意識の低い住宅会社
住宅会社には、私の主観で分類すると意識の高いものとそうでないものに二分されます。
意識の高い会社がめちゃくちゃ少なくて、ほとんどが意識低い系の会社です。
- 丁寧に設計・施工し住む人の事をしっかり考えている会社 ← ここで家を建てれるとベスト
- 会社の知識不足・勉強不足で家の性能がイマイチな会社。ひどいところは、会社の利益優先で、家さえ売れれば良いと考えている会社 ← 確実に後悔する
1の会社の言葉は信じてOKです。
2会社は、信じたらNGです。
会社の方針によって、営業がどれだけ性能に関する知識を持っているのかが別れます。
私の感覚だと、それぞれの会社の印象は以下のとおりです。
1の会社 家の性能がとても大事だと考えている。 非常に快適な環境で過ごせる家が作れるので、そこを一番の売りにしている。 営業は、性能に関して十分に勉強しており、その重要性を客にしっかり説明できるレベル。 この営業の言う高気密高断熱は間違いなく、本物。
2の会社 性能以外の、見た目やローコストである部分を売りにしている事が多い。 施工の品質もばらつきがあり、家の性能は低い。 性能の良い家と比べると住心地は大きく変わる。 営業は、客を納得させ契約につなげる事を考えており、性能に関しては知識不足。 この営業の放つ「うちは高気密高断熱ですよ」は絶対に信じてはいけない。
これも私見ですが、住宅会社のうち性能を重視した会社はかなり少ない印象です。
じゃあ、どうすればよいのか?
営業は、建てた家が寒かろうと暑かろうと責任をとってくれません。住んでみて失敗だと感じても、住宅会社はやり直しなんてしてくれません。
そうならないために、「高気密高断熱」という言葉で判断するのではなく、より再現性の高い方法で性能を担保できる判断をするしかありません。
具体的には以下の通り。
- 数字で判断
- 実績で判断
数字で判断
冒頭で述べた気密と断熱ですが、これは数値で測定可能なものです。
気密 → C値と呼ばれる値。機械を使って測定可能 断熱 → Ua値と呼ばれる値。断熱材の種類や厚みで計算可能
図でイメージが掴めるでしょうか。
相対的に変化してしまう営業の感覚ではなくて、絶対的に変化しない(客観性の高い)物理的な数値で評価すれば、再現性は高まります。
住宅会社のwebページでC値やUa値を提示しているかどうか、確認しましょう。その会社で目指している値の基準がわかると思います。
そもそも公表していない場合、性能に重みをおいていない可能性があります。
値の細かな解説はまた別記事で書きますが、どちらとも値が低いほど性能が高いことになります。
実績で判断
数字とは別のものさしで、実績を見る方法があります。
1次情報にあたる
これまでにその住宅会社で建てた施主の感想が主な情報源です。
リアルではそうそう見つからないので、ブロガーを探しみましょう。
営業の言葉よりも、利害関係の無い第3者の言葉のほうが信頼できる情報かと思われます。
最近は施主ブロガーが増えており(私もそのうちの1人)、住心地の情報が数多く発信されています。住宅会社の名前が記載されてている場合やそのお宅のC値、Ua値なども公開している人もいます。
そのへんの営業よりも性能や温熱環境に関して詳しいブロガーさんもいますので、是非色々なブログを読み漁ってみてください。
その際に上述の、C値やUa値もどの程度なのかを見てみましょう。C値とUa値だけで住心地は決まりませんが、気密と断熱の性能の感覚は掴めると思います。
「〇〇ホーム 住心地」などで検索してみてはいかがでしょうか。
(私も、いろいろな施主ブログを読み漁って勉強させてもらいました)
宿泊体験をしてみる
会社によっては、モデルハウスで宿泊体験ができるところがあります。
聞いたり見たりするのも良いですが、一番インパクトのあるのは、自分の肌で感じてみる事なのだと思います。「性能の高い家」ってこんなに快適なのか!と衝撃を受けることでしょう。
ただし、その快適性は冷暖房をあまりつかわずに快適性を維持できているのか、という観点でチェックが必要です。寒い時期や暑い時期にこそ宿泊体験をしてみて、さらに、空調を切ってからどれほど快適性が維持されるのかを確認してみるのが良いですね。
ということで、宿泊体験でのポイントは以下の2点です。
- 真夏や、真冬に宿泊体験する
- 冷暖房を止めてみる
まとめ
住宅会社の選ぶ際の「高気密高断熱」というワードについて盲信してはいけないというお話を解説しました。
理由は、定義が曖昧だったり、住宅会社の知識不足によって、どのレベルの性能なのかを断定できていないからです。
性能を伴った家にしたいのであれば、再現性の高い基準で判断をしましょう。
それは、C値やUa値などの絶対的な数字で判断すること、そして1次情報を調べる事です。更に、可能なら肌で感じてみることです。
住宅会社選びは幅広くあたってみて、どんな家ができるのかを相談してみることをおすすめします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
素敵なマイホーム生活を!