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【C値とは】住宅に気密性が必要な理由を解説!【施主が知っておくべき事】

どうも、しんば(@shimbakone)です。

 

家を建てるのならば快適な家に住みたいと考えますよね。

そのためには家の性能を高める必要があります。

今回はその性能の中で、気密性について解説をします。

「気密性?別に要らないんじゃない?どんな家でも一緒でしょ?」

という方は、この記事を読んで、「気密性」の重要性を理解しましょう。

記事の前半では、気密性が低いデメリット、後半では、施主が気密性を知っておくべき理由を解説しています。

快適な家を作るための一歩になる記事です。

 

もくじ

気密性とは

まずは、気密性とは何か?というところから説明していきます。

wikipediaによると

気密性(きみつせい)とは、密閉した気体が外部に洩れない、または減圧した内部に気体が流入しない性質を言う。

と定義されています。

簡単に言えば、気密性が高いとは「空気が出入りしない状態」という事になります。

一見、建物には隙間がないように見えますが、実は小さな隙間が空いているのを知っていますか?

建物はさまざまな建材(木材や断熱材や窓など)が組み合わさって作られており、その接続面に小さな隙間ができてしまいます。

この隙間をなるべく小さくしていく事によって、気密性を高める事ができます。

気密性はC値で表される

家中の隙間がどれくらいあるのかを示した指標です。

床の面積に対してどれだけ隙間があるのかを割合で計算したもので、値が低いほど気密性が高いという意味になります。

C値[c㎡/㎡] = 隙間面積 ÷ 延床面積

実際には、気密測定という方法でチェックします。

我が家の気密測定時の様子です。

建物内部に大型のファンを設置して空気を排出し、隙間から空気がどれだけ入ってくるのかを測定する事で、隙間の大きさを調べる方法になります。

手間や費用もかかりますが、建築中間と完成時と2回測定することが望ましいです。理由は、建築中間であれば気密処理のやり直しができるからです。

 

個人的なC値の目安としては以下のとおりです。

C値 個人的な目安
2.0以上 高気密を名乗るな
1.0 中気密じゃね?
0.5 高気密。頑張ってる。
0.3 高気密。十分。
0.1 超高気密。理想。施工レベル高すぎる

これから建てる方は0.3を目指すと良いのではないかと思っています。

私も0.3を目指しました。なぜ0.3なのかは後ほど解説があります。

 

気密性が低いデメリット

では、気密性が低いと、どういうデメリットがあるのかを見ていきましょう。

以下の3点で解説します。

  1. 汚れを取り込んでしまう
  2. 室温を一定に保てない
  3. 24時間換気が機能しない

これらのデメリットを減らすために、気密を高めていく事となります。

1:汚れを取り込んでしまう

 

「気密性が低い=建物に隙間がある」でしたね。

という事は、外の空気がそのまま隙間から入ってきてしまいます。

本来であれば換気システムのフィルタを通って家の中に入ってくる空気が、フィルタを通過せずに入って来ることになります。

外気には、砂埃花粉PM2.5など家の中に入れたくないものが含まれていますので、それらを空気と一緒に家の中に取り込んでしまうわけです。

結果、ホコリが溜まりやすくなったり、花粉が入りこんで花粉症の症状が出たり、PM2.5を吸い込んで呼吸器系疾患を引き起こしたりなどが起こりえます。

どう考えても、これらが健康にとって良いとは思えませんよね。

どの換気システムにもフィルターが付いているので、これを通して外気を取り込みたいですね。

汚れではないですが、誰もが嫌いなG(gkbr)などの虫の侵入を防ぐ事にも繋がります。やつらは小さな隙間から侵入してきますから、あらゆる隙間を埋める事は非常に有効です。

ある施主ブロガーさんはC値とかけてこの出現率をG値と呼んでいるようです。我が家は2019年3月に入居してから、今の所、G値は0です。

 

2:室温を一定に保てない

室内(天井、壁、床)の温度を一定にすると、温度差が無く快適と言われています。

しかし、気密性が低いと、温度差が発生しやすくなります。

この理由を一言で説明すると「勝手に換気がされてしまい、部屋の温度が保てないから」と言えます。

具体的に説明しましょう。冬場にエアコンなどで部屋を温めている状態を考えてみてください。

温まった空気は上昇する性質があるので、建物の高い所に行ってしまいます。ここで、もし家の気密性が低く隙間がたくさんあるとしたらどうなるでしょうか。

上部に登った空気は家の高い所にある隙間から外に逃げてしまいます。そして、その逃げた空気の量だけ、家の低い位置にある隙間から外気を吸い込む事になります。

これって勝手に換気がされている状態と同じなんですね。

よって、このような家においては、床と天井の間で温度差ができてしまい、一定に保たれるわけがありません。かなり不快な家になるのではないのでしょうか。

 

断熱と気密はセットで考える

室温を一定に保つには単純に「断熱性を上げればよいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、その断熱性を発揮させるためにも気密性が必要です。

壁が熱を通しにくくても、換気による空気が熱を運んでしまいますので、熱は逃げてしまいます。

例えば、魔法瓶に熱いお湯をいれても、フタを開けておくと冷めてしまいますよね?

それと同じで、建物においても空気の移動を抑える事によって保温が可能なのです。

気密の低い家は、冷暖房がなかなか効かずエネルギーの浪費にもつながります。

 

3:計画どおりに換気されない

 

24時間換気のシステムは、室内の空気を入れ替える役割を持っています。

主な目的は、

  • 室内で発生した湿気や匂い、建材から出る有害物質を排出しつつ
  • 新鮮な外気を取り込む事

であり、法律でも、1時間で建物全体の空気の半分を換気させること、とされています。

気密性が低いと、この24時間換気の効果が恐ろしく低下します。

理由は簡単で、隙間から入ってくる空気が増える分、換気システムによる換気の量が低下してしまうからです。

これはショートサーキットと呼ばれる現象が起きている事が原因です。

ショートサーキット?聞き慣れない言葉なので、以下の図で説明しますね。

気密性が高い状態

換気システム(給気口と排気口)以外に隙間が無い状態、であれば給気口から排気口へ向けて、空気が流れていきます。部屋の空気の大部分は換気されるでしょう。

一方、換気システム以外に隙間がある状態では、次の図のようになります。

気密性が低い状態

排気ファンによって空気を排出しようとする力が働いた時に、遠い場所にある給気口ではなく、一番近い場所(この場合は隙間)から空気が入ってきてしまいます。

オレンジの点線で囲った一部の空間でのみ換気がされてしまい、部屋の大部分の空気は換気されません。これがショートサーキットです。

このようにして換気されにくい空間ができてしまうと、汚染された空気を排出できず、臭いがこもってしまいます。

或いは、空気が停滞し湿気やすくなります。そのまま湿度が高い状態が続くとカビが発生してしまう事も考えられます。

 

 

24時間換気の換気量の低下については、下の図からも説明できます。

(出典:社団法人北海道住宅リフォームセンター)

 

グラフの縦軸は、換気システムによる吸気量の割合です。横軸は、建物の気密性能(C値と呼ばれる値。低いと気密性が高い)を表しています。

最近では割と一般的な気密性の値としてC値1.0を見てみると…

なんと、換気システムから吸気される空気量は50%です。いくら換気システムで換気をしていても、本来の半分しか吸気されていないのです。

となると、残りの50%は家中に空いている小さな隙間から入ってくる吸気なんですね。

気密性がもっと低くなると、換気システムの吸気量は20〜30%程度まで低下します。換気システムの換気はほぼ機能していないようなものですね。80〜70%は隙間から吸気されているという事になります。

この場合、半分の空気はフィルターを通らずにそのまま家の中に入ってくるって事なんですよね。ゾッとしませんか。

ちなみに我が家のC値は0.27 でしたので、この表で見ると換気システムによる吸気は80〜90%あたりになりそうです。ほぼほぼフィルターを通った空気が入ってくるようになっています。

 

なぜ施主が気密性を気にしないといけないのか【重要】

気密性が低いデメリットを説明しましたが、上述の内容はなんとなく頭の隅に置いておいてもらえば良いです。

実はここからが一番伝えたいところです。

施主が気密性を気にしないといけない理由は、これです。

基準がないから

国の基準で、気密性(C値)が規定されていないため

家を建てるのに建築基準法や省エネ基準といった基準が存在するのですが、これらの中には気密性を規定するものがありません。

ということは、めちゃくちゃ気密性の低い家でも建てることが可能なのです。

よって、気密性の良し悪しは住宅会社次第なので、施主が何も知らずに、何も考えずに家を建てるとデメリットで説明したような家が建つことになります。

ちなみに、カナダやスウェーデンなどでは気密性の基準があり、たしかC値1.0以下だっと思います。

気密性を高めるには

  • 気密測定という手間のかかる工程
  • 知識と質の高い丁寧な施工

が求められるので、「とにかく建てて売る!大手のハウスメーカー」や、「顧客より利益重視のような考え方の住宅会社」で建てようとする場合は、なかなか厳しいのではないかと思います。

過去には国の基準にC値がありましたが、「利益至上主義・既得権益というキーワードから連想されるようなところ」から、反発があったのでしょうか、削除されてしまいました。

SDGsが掲げられている中で、2020年の省エネ基準の義務化も業界で反発があり、見送りになっているので、私は国の姿勢にはかなり疑問をいだいています。

国が最低ラインの基準を敷き、どこの住宅会社で家を建てても、気密性がある程度のレベル(C値1.0あたり)が担保されるような状況であれば、私がわざわざこのような記事は書いていないでしょう。

ものさしを知る

家を建ててから容易に気密性を向上させる事ができるのなら良いのですが、壁を壊すレベルのリフォームでもしない限り、後から気密性を高める方法は無いと言ってよいでしょう。

気密性が重要であるという認知は徐々に高まってきてはいると思いますが、正直なところ、初期費用や見た目というわかりやすい「ものさし」ばかりを気にして、家を建てる人が多いような気がしています。

気密性などの性能は目に見えないので、そもそも「ものさし」として大半の人に認知されていないのが実情なんだろうなと思います。

こういった理由から、施主が気密などの性能に関心を持っておくべきであると考えています。

一方で、気密の重要性を理解し実践できている優良な住宅会社は存在するので、そういった会社に依頼できると快適な家が建つ事でしょう。

意識の高い住宅会社を見つけるには、C値を公表しているか調べたり、これまでに建てた家のC値の実績を聞いてみると良いですね。答えられない会社は、すぐに選択肢から外して良いのではと思います、というか外すべきです。きっとろくな家が建ちません。

幸いな事に私は家づくりをすすめる中で性能の重要性を知り、かなり気密性の高い(C値0.27)家を建てる事ができました。そのおかげで現在とても快適に過ごすことができています。

まとめ

今回は、気密の重要性に関して説明をしました。

気密性はC値という値で判断できる
 気密性が低いデメリット

  1. 汚れを取り込んでしまう
  2. 室温を一定に保てない
  3. 24時間換気が機能しない

気密性をものさしの1つに

という内容でした。

C値は0.1にするべき、なんて極端な事を言っているつもりはないですし、C値1.0で十分だよっていうお宅があって当然だと思います。やはりそれ相応のコストもかかるわけなので。

とはいえ、あまりに気密性の低い家はおすすめしないというのが、私の意見です。

もしこの記事を読んで「気密についてはじめて知った!」という方がいたら、非常に嬉しいです。私がそうであったように、まさにあなたのような方に向けて書いた記事だからです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

素敵なマイホーム生活を!

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