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【空間と時間をデザインする照明】ルイスポールセン・PH5の魅力とは?

どうも、しんば(@shimbakone)です。

我が家ではルイスポールセンのPH5という照明を使っています。

すごく有名な照明なので、名前は知らなくても見かけたことがあるのではないでしょうか。

正直に言うと、私は最初に見たときに

何が良いのか全然わかりませんでした。

しかし、今ではこの照明が大好きになっています。その心変わりの理由と共にPH5の魅力に迫りたいと思います。

これを読めばきっとあなたもPH5の虜です。

それではいってみましょう!

もくじ

PH5の魅力とは?

いきなり結論なんですが、PH5の本質はこれかなと思っています。

空間と時間をデザインする照明

抽象的すぎて何をいっているのかよくわからないですね。

見た目も確かに個性的なんですが、PH5はライティング(照らし方)に大きな特徴があります。光を綿密に設計コントロールすることで、上質な空間を作り出しています。

具体的に言えば

PH5は、

  • 光のグラーデーション
  • 色のグラーデーション

を考え設計されています。

ライティングによって「空間と時間をデザインしている」という事が、わかるように解説していきますね。

光のグラーデーション

まず、PH5を、PH5たらしめているのが特徴的なシルエット(シェード)です。

シェードを複数重ねた構造になっており、不思議な見た目です。このシェードの役割は光源の直射光を覆い隠して眩しさ(グレア)を抑えるためです。グレアフリーとも言われたりします。

間接照明を思い浮かべてもらえばわかりますが、光源を隠して壁などに灯りを反射させると、とても柔らかい光になり、不快感が無くなるのがわかります。

同様にPH5もシェードに反射した光が柔らかくなるように設計されています。

幾何学的なシルエット

このシェードは対数螺旋という曲線(自然界でみられる曲線。貝殻の螺旋など)をもとに設計されていることが大きな特徴です。設計者が光の反射角度などを計算・テストし、美しい照らし方(ライティング)を合理的に追求したデザインなのです。

光がどの角度からシェードに当たっても、同じ角度で反射するように設計されています。濃淡の激しい光ではなく、なめらかなグラデーションのような光を作ることができます。

色のグラデーション

一般的に、照明を使うのはどんな時でしょうか?

それは、あたりが暗くなってきた夕方あたりからですね。その時間の空は、青から赤へと色の、そして明るさのグラデーションがなんとも美しいものです。

夕暮れ時、あえて雰囲気を出して「黄昏時」と表現しますが、この時間の空は情緒にぐっと来るけれども落ち着く不思議なものを感じます。

夕暮れはいつも美しい(我が家の庭から)

 

PH5の設計者、ポール・ヘニングセンは、これをうまく照明として利用しました。

先程説明したシェードの反射板に、赤い部分と、青い部分があります。

PH5を下から見上げた図

これが、まさに黄昏時をデザインする仕掛けになっています。

青色は空の色、赤色は夕焼け空へと変化していく色。光源が白色でもを光に着色することで、黄昏時を表現することが可能になっています。

どんな色の電球を使っても、黄昏時を再現できるようにという設計者の意図があります。

(現在のモデルは、反射板の色が若干異なるものもあります)

  • 光のグラーデションで心地よい空間を作り
  • 色のグラーデションで黄昏時(時間)を作る

このような設計思想が非常に素敵だなと思います。

周りは暗めですが、PH5だけで照らした空間がとっても心地よいです。

北欧だからこそ生まれた照明

PH5は北欧のデンマークで生まれました。販売しているルイスポールセン社も、設計者のポール・ヘニングセンもデンマークです。

北欧の冬は、日の出ている時間が短く、暗い時間帯が長いのです。よって室内で暮らす時間を楽しむために照明が研究されていたという背景があります。

そういった環境の中で、ポール・ヘニングセンが黄昏時を表現する照明を開発するのは、もしかしたら自然なことだったのかもしれません。

おわり

PH5の特徴を解説してみました。魅力が伝わったでしょうか?

発表されてから50年以上経過しますが、名作と呼ばれるのに相応しいものだと思います。

実は、はじめてこの照明を見た時はこんな感想を持っていました。

  • UFOみたいで変なシルエットだな?
  • 名作と言われるが…良さがよくわからない

しかし、今回の記事で解説をしたような内容を知った、その瞬間にぐっと心を掴まれてしまいました。

ただ照らすだけの照明ではなく、光をデザインし、空間、ひいては時間までもデザインをしているところに非常に高いアート性を感じます。

この照明に限らずですが、設計者の思想まで理解を深めると、一段と愛着が湧くかもしれませんね。

それでは。


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