どうも、しんば(@shimbakone)です。
先日このようなツイートをしました。
諸外国(ドイツ、イギリス、スウェーデンなど)では18℃以上という最低室温の基準がある。(トイレや廊下など全て)
彼らは、冷えは健康リスクにつながるため、基本的人権という考え。戸建だけじゃなく賃貸でも18℃以上を保てるのが普通。一方、日本では寒いのが普通という謎の空気感。
— しんば@家づくりブログ (@shimbakone) April 15, 2020
諸外国と比べた日本の住環境、健康意識への指摘です。
- 冷えへの意識の格差(諸外国比)
- 冷えは健康リスクを高める
という部分を少し深堀りしてみます。
冷えへの意識の格差
諸外国では18度以上が当たり前
イギリス、ドイツ、スウェーデンなどでは「温かい居室環境」は基本的な人権という考えがあります。
日本では考えられないかもしれませんが、これらの諸外国では冷えによる健康リスクを低減させるため最低室温の基準があります。
しかもこれはリビングだけではなく、廊下やトイレお風呂など居室以外の空間でも温度を保つようにと考えられています。建物内の温度差があるとヒートショックを引き起こしやすく、命の危険につながるためです。
(交通事故よりもヒートショックで亡くなる人数の方が大きいのです!)
WHO(世界保健機構)
2018年に「住まいと健康に関するガイドライン」として「寒い時期の室温は18度以上」という基準を提唱しています。
しかも、子どもと高齢者は更に暖かくするようにと言っています。
イギリス
健康意識の高い英国では、居室の温度は21℃以上、寝室は18℃以上とするように注意喚起がなされています。
18℃以上に保つことのできない賃貸物件は改修・閉鎖・解体の命令が可能になっています。
ドイツ
室内温度が18℃を以下は「基本的人権を損なう」という考えに基づいて、
- 日中(6-23時)は20℃以上
- 夜間(23〜6時)は18℃以上
を保てない家の場合、賃貸として貸す事ができません。
スウェーデン
夏場は最高気温22℃あたりまでしか上がらず、冬は長く-6℃などまで下がります。そういった環境でも家の温度は18℃以上になるようにすることが推奨されています。
私は欧州へ行ったことがないのでわかりませんが、外は寒くても中はしっかり暖かく本当の意味で生活を守る家になっているそうです。
最低温度の基準がない日本
これは歴史・文化の違いだと私は思っています。
海外では建物全体を温める全館暖房が基本です。一方、日本ではこたつやストーブなどの局所的な暖房をするのが一般的です。
最低限必要な暖が取れれば良く、節約思考が根付いているような。
快適・健康的よりも経済性を優先させてきたような節があります。
戦後の住宅不足に対して、大量供給で経済を動かす方針に対しても、同様の事が言えます。これは経済復興には有効だったわけです。家を建てれば家具・家電なども買い替えするためより経済が動くわけですから。
加えて、サラリーマンの増加と住宅ローンという制度も追い風になったのでしょう。
よって快適性よりも、耐震や耐火を重要視される家が求められたのではないのでしょうか。
寒いのは普通だし、冬は結露して当然。
それが日本の常識です。そこから最低温度という発想はなかなか生まれないですよね。
とはいえ、日本はその文脈の延長線上にいるわけですが、情報・知識の流動性が高まり、徐々に室温が健康に与える影響の重要性に気づき始めている事も事実です。
「家は性能」を掲げる一条工務店の台頭がそれを物語っていますね。
国土交通省も「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」を実施しており、室温の変化が居住者の健康に与える影響を検証しています。
いづれにしても今後、日本は世界の流れを後追いするとは思いますが、それがいつになるのかは疑問です。すでに天と地ほどの差が開いている状況ですからね。
冷えは健康リスクを高める
まさに「冷えは万病の元」
諸外国の基準が18℃以上とするのは、そこが目安となり18℃を下回るの室温では疾患のリスクが高まってくるからです。
下の表はイギリスの保健局で提唱される室温の健康への影響です。
私が知り得た情報をまとめると、低い室温は以下のような形で身体に悪影響を与えるそうです。
- 呼吸器系疾患
- 循環器系疾患
- 脳梗塞
- 免疫力の低下
- がん細胞の増加
参考:英国保健省「イングランド防寒計画2015.10」、安保徹「安保徹のやさしい解体新書」
症状を見ると緩やかに、でも確実に身体にダメージを与えていくような症状ばかりです。冷えによる血管収縮や血行不良がもろもろの疾患を起こしているようです。
例えば、寒いと動きたくなくなり活動量が低下、さらなる血行の悪化しそれが疾病の元に。或いは、慢性的に冷えを感じるストレスによってメンタル的な悪影響なども考えられます。
冷える家に住み続けていると、このような疾患によって自律した生活ができなくなったり、或いは医療費がかかるなど、健康面以外でも悪影響はたくさん出てきそうです。
親にはそうなってほしくないし、自分もそう。そして我が子に対してもそう思います。
そろそろ「寒いのは当たり前、我慢すれば良い。忍耐力が足りない、節約しろ」という昭和みたいな思考からアップデートする時期かと。
暖房費をケチって病気になるくらいなら、多少の光熱費がかかっても温かい環境で心も身体も健康に過ごしたほうが良いのではないか?と思います。
まとめ
冷えによる健康リスクと意識の低さについてまとめてみました。
- 冷えは健康リスクを高める
- 室温は18℃以上を保とう
- できれば21℃以上が健康に良さそう
これを踏まえて我が家の冬場のリビングは24℃前後を目指しています。まだ幼い子どももいますので、十分な目標設定であると考えています。
私達が高齢になったときにもこれだけの室温が保たれていれば健康に過ごせそうです。
記事で紹介したような冷えによる健康リスクは、かなり低減されていると思っています。新居に住み始めてから1年が経ちますが、今の所体調を崩したことは無かったです。
参考にこの1年の、我が家の住まい方と光熱費の記事を紹介しておきますね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。