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APW431大開口スライディングから冷気を感じたお話【原因と我が家の対応】

どうも、しんば(@shimbakone)です。

我が家ではAPW431大開口スライディングという窓を採用しています。

冬の早朝に窓の隅で冷気を感じたり、結露していることがあったので、YKKAPの方に見てもらった内容(原因)や我が家の対応をまとめました。

これからAPW431を採用される方、あるいはすでに採用されている方の参考になればと思いますので記事にしました。

それではいってみましょう!

もくじ

APW431大開口スライディングとは?

出典:YKKAP

「APW431」大開口スライディングは、窓の開口面積(躯体開口)を大きく保ったまま、開閉の軽さ・断熱性能・気密性能を更に向上させ、従来の課題をすべて解決できる新しいスライディング(片引きテラス戸)です。(YKKAP ニュースリリースより

YKKAPが販売しているトリプルガラスと樹脂サッシで構成された大型の窓です。

大きなFIX窓と、引き戸の組み合わせになっていて、戸を閉じる(ハンドルをぐっと引き上げる)と、引き戸が枠に密着して気密をとれる仕組みが特徴です。この機構のおかげで、一般的な引き違い窓に比べて気密性は高くなっています。

圧倒的な眺望、断熱性や気密性も求めたかったので、こちらの窓を採用しました。

現在、YKKAPのwebページを見ると、430(トリプルガラス+樹脂サッシ)シリーズの中の「大開口スライディング」という扱いのように見えます。(431という表記を無くしたのでしょうか?)

冬の早朝の結露

外気が0℃近くまで下がったある冬の日、APW431の隅がうっすら結露していました。このツイートを見てもらうのがわかりやすいです。

これはトリプルガラス樹脂サッシでも結露するわな。

外気は-1度なんで、ほぼ外気に近い温度。室内は23.5度くらいです。

隅っこから冷気を感じるから隙間があるんだろうな…気密性が大事なのはこういう事ですよ。 pic.twitter.com/0NQRZO2j8L

— しんば@家づくりブログ (@shimbakone) February 18, 2021

ご覧の通り、樹脂サッシ部分の温度が0℃で、ほぼ外気温。

我が家は、冬場の絶対湿度は10〜11g/m3を維持するようにしていますので、この場合、ガラスやサッシの温度が11〜13℃を下回ると結露が発生します。写真では、サッシが0℃という状態ですから確実に結露する状況です。

ここで少し疑問を感じた

流石に、室温が23.5℃であるし、樹脂サッシが外気とほぼ同じ温度というのは、おかしいのでは?と感じました。(アルミサッシでも使わないと、ここまで温度が低くならないよな…)

気になったので、当該部分に手を当ててみると冷気を感じます。漏気しているのか、あるいは冷気(放射)を感じているだけなのかは微妙なところですが、温度差を考えるとこれは外気が枠付近まで入ってきているとしか考えられません

確認をしようと、レンジフードを(強)運転してみると、「冷気を感じる」→「微量な冷風」を感じに変わりました。やはりどこかに隙間が空いていて、外気が流入しているに違いありません。冷気が入ってきて、サッシを冷やし、そして、付近のガラスも冷やしているのでは?というのが私の見解でした。

工務店に相談

実は、この件を工務店に相談したのは2回目でした。

1年点検の時にも相談はしていましたが、「気密性を高めた窓ではあるが、窓という製品の特性上、隙間を完全に0にはできない」というような話(私の解釈ですが)を聞いており、一応それで納得したつもりではありました。

が、2年目の冬を迎えまた同様の現象が起きるのを見て、やはりどうにかしたいという思いが強くなりました。ちょうど2年点検という機会があったので、そこでもう一度相談をしてみたというわけです。

点検時では、サッシ屋さん(YKKAPではない)に見てもらいました。日中でしたの冷気を感じにくいため、レンジフードを運転して漏気を確かめてもらいました。

例の431の隙間の件。
2年点検時にサッシ屋さんに見てもらったところ、

スライドドア部分の枠?隙間?から侵入した外気がレール下の空洞を通って吹き出ているのでは?
431の構造的なものではないかと思われるとのこと。

YKKAPの方に見てもらった方が良いとのことで、また今度。ってなりました。

— しんば@家づくりブログ (@shimbakone) March 17, 2021


このような結果となり、後日改めてYKKAPに見てもらうことになりました。

YKKAPに見てもらう

後日、工務店の方(1名)とYKKAPの方(3名)が見えられました。(YKKAP側は、スーツを着た営業さん?1名と作業着の技術者さん2人でした)

YKKAP側から受けた説明の内容は、サッシ屋さんの説明と同様でした。

YKKAPの大開口スライディング(APW431)で、隙間風を感じるという問題について、YKKAPの方、工務店の方が見に来た。

●先に結論
仕様として、結露水を外部に排出する穴が空いている。(=外に通じている)
気密の高い家であるからここから外気が入ってきている可能性が高い。ここを埋めた。

— しんば@家づくりブログ (@shimbakone) March 23, 2021

要点をまとめると、

  • 水抜き穴(結露水を外部へ排出するためのもの)がある
  • 気密性の高い家(竣工時のC値は0.27)である
  • 点検の結果、窓自体には特に問題はない

ということから、水抜き穴から外気が入ってきていると考えられるということです。

我が家の換気の話

我が家はダクト式の第1種換気システムを小屋裏に設置しています。小屋裏で外気を取り入み熱交換後、空気をその場で開放し、小屋裏→2F→1Fと空気を流していく換気計画ですので、室内の吸気グリルは1Fに4つ(と2Fのトイレに1つ)あります。

このため第1種換気とはいえ、窓の周辺は負圧になっているのではないか、ということが考えられます。(Twitterのやりとりでこんな話が出ました)

あわせて読みたい
ダクト式第1種換気システムのダクト汚れ問題を解消する方法 ダクト式の第1種換気システムのデメリットを減らす方法を記事しました。

水抜き穴を見てみる

この穴が水抜き穴(室内側)です。通常はカバーされ(コの字型の細長い部材で埋められて)見えなくなっていますが、今回はYKKAPの方にカバーを外してもらいました。

これは…しっかりとした穴が空いていますね…

カバーは、ただはめ込んでいるだけで、密封されているわけではないとのことです。窓の隅から冷気を感じていたのは、おそらくこの穴が付近にあったからだと思います。

この穴は偏芯タイプだと3箇所、合計5個の穴が空いているとのことです。(右側が2箇所、中央が2箇所、左側が1箇所)

この穴を埋めれば、外気が入ってくることは防げそうです。ただ、結露水が排出されなくなってしまうので、メーカーとしてはどうぞとは言えません。

私のように「結露撲滅!」という人もいれば、結露を気にしないで生活する方も中にはいると思いますから、そういう人のためには結露が発生したときのリスクヘッジが必要です。

どんな住まい方をするのかで、結露の具合は変わってきます。例えば、せっかく高性能で断熱性の高い家を建てても、暖房をケチってると室温は低くなり、一方で乾燥するからと加湿をすると、結露する可能性は高くなります。

結露は物理現象ですから、室温、湿度、窓のガラスやサッシの表面温度などの諸条件が揃えば確実に再現されます。

そういう意味で、結露する前提でものづくりをされているので仕方がないといえば仕方がないのかなと思います。

水抜き穴を埋める

我が家に話を戻しますと、住まい方的にはこれのせいで(微量だが)結露してしまうので、穴を塞ぎたいということを伝えました。

水抜き穴を埋めることはメーカーが認めているわけではありませんので注意してください。そのため今回の穴を埋めるという処理によって生じるトラブルは自己責任となります。

カバーは自分でも外せるらしいですが、止めているネジは樹脂に直接ねじ込んでいるので、ネジ跡にそって緩めたり締めたりしないと穴がゆるんでしまうので注意とのことでした。

それならばせっかくYKKAPの方にカバーを外してもらっているのだからということで、工務店の方と話し合ってこの場で埋めてしまおうということになりました。

工務店の方に穴を塞いでもらう

コーキング材で、このように穴を塞いでもらいました。右側は自分でやらせてもらいました。

窓の両端にある穴(合計3個)は問題なく埋めることが出来たのですが、窓中央の部分の穴はスライドドアが干渉してうまくコーキングできませんでした。スライドドアについている外部のハンドルが外れず、スライドドアが正常範囲よりも外側に動かせなかったからです。

そこで、この中央部分については気密テープを貼り付けるだけにしました。汚れをしっかり落とさないと粘着力が弱くなってしまうので、しっかり張り付くように掃除もしていただきました(ありがとうございます)。

定規を使って器用に貼り付けてもらいました。 下の画像はぼやけてますが、気密テープで埋めた所です。

ちなみに、建物の外側にも排出用の穴が空いています。

これですかね?内部はこんな感じでした。 pic.twitter.com/ZGQylCkFhK

— しんば@家づくりブログ (@shimbakone) March 24, 2021


こちらも塞げば、もっと良いのかもしれません。

埋めた結果は?

●埋めた結果

朝は外気4℃、室温25.6℃、サッシは15.6℃だったので、外気は入ってきていないようです!ここはバッチリ。
ただ、湿度高めのせいか、ガラスは隅がうっすら結露してました笑

寝る時には、ブラインド開けるのと、サーキュレータで風送るとかすればガラスの結露も抑えれるかもしれません。 pic.twitter.com/vW6aRPAkyu

— しんば@家づくりブログ (@shimbakone) March 24, 2021

ツイートのとおりで、冷気は感じなくなりましたで、やはり原因は水抜き穴だったようです。

我が家は、「健康のために温度と湿度を高めで生活をしたい」という考えですから、冬にはこういった冷気の漏気だけで結露が起こりやすくなります。高気密ゆえのデメリット(?)なののか、弱点があればそこが強調されるような感じがしますね。

温度湿度をしっかり管理して過ごすようにしたいと思います。

今後、APW431大開口スライディングを採用される方の参考になれば嬉しいです。

今回の処置をしてから、起こったことを共有しておきます。

  • 結露した水が若干レールにたまること
  • 雨のあとや窓に水をかけたあと隙間から水が流れ込んでいる(開けたから水から水が落ちたのか、もともと落ちていたのかはわかりません)

水抜き穴の機能を無くしてしまっているので、注意してくださいね。

それでは。

後日談(2024年3月追記)

穴を開けた

上記の対応をしてから3年ほど経過したところで、ある程度は予想していた問題が発生したため、

結果として塞いだもの(テープやウレタン)は取り除きました。今は穴が空いています。

その問題とは、雨水がスライドドアのパッキン部をすり抜けてレールに貯まっていました。(結露水もあるかも)

レールのカバーがあるので通常では見えないのですが、ある日掃除していたら水が貯まっていることに気づきました。

APW431のスライドドアのパッキンは劣化や構造上どうしても隙間が発生します。3年間をかけて微々たる水が蓄積され冠水状態でした。

自力でカバーを外して、穴を塞ぐテープやウレタンを取り除いたことで水は無事に排出されました。

その代わりの対応

寒い時期だけ、サッシの外側にある排水弁を塞ぐことにしました。

養生テープとかなんでもいいので弁の隙間が埋まるように貼る

サッシの穴はこの排水弁とつながっているので、わざわざ穴を埋めなくても、こちらを密封すればよかっただけですね。

大掛かりなことをしなくても良くなるので、共有しておきます。

参考情報

ウチュウさんのブログでも対応がまとめられていますので参考にしてみてください。

ウチュウブログ
APW430 大開口スライディングが寒い?冷気問題を解決して快適空間へ│排水弁を塞ぐDIY | ウチュウブログ 2023/1/11 更新 長崎県西彼杵郡時津町にある不動産屋さんのあおぞら不動産で住宅の基本設計と現場管理などの工務をやっています。ウチュウブログの管理人、河浪宇宙です。 ...

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